本書は、メークアップアーティストの小田切ヒロさんが平成31年1月に出された本です。
出版された当初に購入し読んでいたのですが、最近、小田切ヒロさんのYouTubeチャンネルにはまっているので、再読しました。
小田切ヒロさんのYouTubeチャンネルは、このようなプロのメイクテクニックが、こんなに分かりやすく、しかも無料で見られるなんて素晴らしい!と、本当に感動してしまう、非常におすすめのチェンネルです。
この本は、逆に、メイクテクニックの話はほとんどなく、本当の美しさは内面にある、心の在り方にある、とううことを伝えようとする内容です。例えば、本を読むことは重要、愚痴を言わない、噂話をしない、食べ物が大事、時間を大切にする、など、美しい女性になるために重要と思われる内容を、小田切さんの語り口で伝えています。少し厳しいけれど、自分のために裏表のない話をしてくれる年上の綺麗な先輩に、人生についての指導を受けているような、そんな気持ちになる本です。格言集のように、一節一節が非常に短く書かれているので、本を読み慣れていない方や、忙しい方でも、通勤中や寝る前に少しづつ読めると思います。
書かれていることは、いい意味で常識的、普遍的な内容なので、特に若い方など、こんなこと考えたことなかった、というような気付きがある方もいらっしゃるとは思いますが、逆に、概ね知っていることで日々気を付けている、という方もいらっしゃると思います。実は私も後者だったのですが、それでも、自分がよしとしている価値を、美のスペシャリストの視点で整理していただくと、アイディアの輪郭がはっきりするような爽快感があります。
小田切さんは、上品で清潔・高級感のあるメイクがお得意なアーティストさんだと思いますが、この本を読むと、そのようなメイクの背景にある、小田切さんの美意識や、精神性が分かります。YouTubeでテクニックを知り、この本で精神性を知ると、全てがつながり、非常に腑に落ちると感じました。その意味で、個人的には、Youtubeとこの本はセットで楽しまれることをお勧めします。
最後にもう一つ。私は本を先に読んでおり、YouTubeを後から見たのですが、本を読んだ時点での小田切さんの印象は、凛として厳しくて美しい方、でした。しかし、YouTubeを見ると、お話のしかたがコミカルで面白いところがあり(若い視聴者の方を想定しているそうなので、意図的にそうされているのかもしれません)、勝手に抱いていた印象とのギャップがあったので、余計に小田切さんが気になるようになってしまいました。よく言われることですが、ギャップのある人により魅力を感じ惹かれてしまうのだと思います。このようなギャップは、人間としての引出しが多いからこそ生まれるもので、小田切さんの人としての層の厚さを感じました。これからも、ご活躍に注目し続けたいと思います。
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